1 フォッカープランク方程式とその予測プログラム

 この章では今回使用するプログラムがどのようなものであるかを簡単に説明する。

 

1−1 予測プログラムの内容

 予測プログラムは図1のように大きく3つの計算過程に分けられる。

a)定数を求めるプログラム

 本論で用いる計算式、フォッカープランク方程式は、

uΔ(i,j)=(1-α-β-γ-δ)u(i,j)+αu(i-1,j)+βu(i+1,j)         

+γu(i,j-1)+δu(i,j+1)  
(1.1) 


u(i,j)

:観測値(adt)

uΔ(i,j)

:予測値(fdt)

α,β,γ,δ

:定数

で与えられる。

図1 計算の流れ

 

ここで、定数(α,β,γ,δ)は未知の定数であるため、予測計算を行うためには、先に観測値2枚(adt1,adt2。データ数は各n×hm個)を用い、各定数を最小自乗法によって求めなければならない。

図2 図で見るフォッカープランク方程式

 

図3 予測計算のイメージ

 

b)予測計算

 前述の計算によって定数が求まれば、adt2と(1.1)式により予測値(fdt3。n-2×m-2個)を求めることができる(図3)。

 

c)予測画像の補間

 予測値を求めても、その大きさは観測値よりも小さい*1

 したがって、次式
  

u(i,j)=2u(i+1,j)+u(i+2,j)                     (1.2)

  

によって四辺を補間することにした。

 これによって元の画像と同じ大きさ(n×m個)に戻すことができ、先の予測計算に支障なく扱うことができる。


*1 予測計算を行う際、計算出力対象となるのは四辺四隅を除く数値であるため、元の画像より小さく出力されてしまう(図3参照)。


1−2 C++言語によるプログラム例

 付録に前節の内容によってできたプログラムを載せておく。

 なお、このプログラムはC++言語によって作成した例である。

 

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